北米でのナットウの作り方
納豆の作り方はいろいろありますが、ここではカナダ・アメリカで、納豆菌を使った方法を取り上げます。納豆をうまく作るには40℃程度に温度を保つことが大事ですが、北米の一般家庭の台所には大型のオーブンが備え付けになっていますので、これを利用すると比較的簡単に、家庭でたっぷり食べるだけの納豆が出来ます。
なお、オーブンは器具の殺菌の後は、単に箱として使っているだけですから、大き目のダンボールの箱でも発泡スチロールの箱でも、中に熱源の電球を入れれば使えると思いますが、火事にならないように気を付けて下さい。熱源としては「湯たんぽ」が安全で良いかもしれません。また24時間風呂に器を浮かべていいナットウが出来たと報告してくれた人もいます。
納豆菌の素としては、胞子になった納豆菌を入手する場合と、市販の納豆をベースにする場合がありますが、納豆菌はほんのわずか使うだけですから、市販の納豆を使うより安上がりで、冷蔵庫に入れておけば長持ちしますし、市販の納豆がどのような処理をされているか不明なことと、雑菌の混入の機会が増えることを考慮すると、納豆菌の入手ができる場合は、納豆菌をお使いになることをお勧めします。
ただし、アメリカの「納豆やさん」は、市販の納豆を素に、ペットボトルに入れた熱湯で暖めて、おいしい引き割納豆を作られているようですから、条件がそろわない方も諦めずにお試し下さい。「納豆に関するリンク集」にはその他の作り方も出ています。
なお、下記の作り方で、納豆菌の代わりに市販の納豆を使う場合は、納豆菌 0.1g (耳かき大盛り1杯)の代わりに、納豆1パックを代用してみて下さい。うまく出来たという人もいます。
材料 (納豆の出来上がりで約1.2kg):
器具:
作り方:
| 1. 大豆500g
を良く洗い、3倍くらいのたっぷりの水に浸漬します。 水に漬けておく時間は、夏で12時間、冬で20時間とされていますが、集中暖房の効いた北米の場合、室温で12時間程度で十分なようです。 |
![]() |
| 2.十分に吸水し、2倍ほどに膨れ上がった大豆を、大なべに入れた蒸し器に入れ、6時間ほど蒸します。 指の間で簡単に大豆がつぶれるようであれば、蒸し上がりです。 圧力釜を使うと10数分で出来るようですが、まだ試したことはありません。 |
![]() |
| 3.大豆が蒸しあがる2時間ほど前に、オーブンパン2つにアルミ箔を被せ、先の尖った箸などで空気穴をブスブスと開け、オーブンの上の棚に入れます。 深皿には水を半分ほどいれ、中段の棚に置きます。水を入れた皿は納豆を乾燥させないためです。 空の耐熱カップとティースプーンも棚に載せ、、オーブンを250度F(120℃)程度に加熱して、殺菌します。 温度が十分上がったところでスイッチを切り、自然冷却させます。 かき混ぜるためのへらやゴム手袋は、使う少し前に熱湯消毒しておきます。 |
![]() |
これ以降の作業は雑菌が混入するのを防ぐため、あまり温度が下がらないように、手早くしてください。
4.大豆が蒸しあがったら、なべのふたを押さえたまま流しで傾け、蒸し器の下の褐色の熱湯を捨てます。
| 5.なべのふたを取り、大豆はそのままに、蒸し器を引きずり出し、雑菌が入らないように、また温度が下がらないように、再度ふたをしておきます。 | ![]() |
| 6.カップに湯冷まし10ml に、塩こさじ 1/4と耳かき大盛り1杯(0.1g)の納豆菌を混ぜます。胞子になっている納豆菌はとても熱に強いので、この時湯冷ましは80℃以下程度であれば構いません。ちなみに納豆菌の胞子を死滅させるのには、140℃で約1時間が必要だそうです。 なお、湯冷まし10ml というのが量が少なくて扱いにくかったり、出来た納豆の粘りが少ない場合は、40〜50ml まで増やして下さい。ただ多すぎるとべたっとします。 写真は高橋祐蔵研究所の納豆菌3gのパッケージです。この小さなパッケージで、納豆約30kgが出来ます。作り方に慣れてくれば、納豆菌の量を少なくしても、いい納豆が出来るようになります。 |
![]() |
7.なべのふたを取り、塩と納豆菌の入った湯冷ましを大豆にかけ、へらでかき回し、納豆菌が行き渡るようにします。
| 8.オーブンパンのアルミ箔をはずし、2〜3cmの厚さに大豆を広げます。(理想的には大豆の粒にして3段までだそうです。) アルミ箔で覆いますが、空気の流通が悪いと苦味が出たりするようですし、良すぎると乾燥して豆が硬くなります。 |
![]() |
| 9.まづオーブンのスイッチがオフな事を確認します。次にオーブンの上段にアルミ箔を被せたオーブンパンを入れ、中段には保湿のための水の入った皿を並べます。 一番下に40Wの電球をつけた作業ランプをいれ、スイッチを入れます。オーブン左奥の付属のランプは上部についているので、温度のむらが出来やすいですから、消しておきます。 温度計を上段において、ドアを閉めます。 |
![]() |
10. 数時間おきに温度を調べ、38℃〜42℃になるように、電球のワット数を代えたり、オーブンのドアに何か挟み、隙間を作るなどして温度調整しますが、いったん最適条件が決まれば、次回からは簡単です。 (納豆菌の最適発育の適温は37℃〜40℃だそうです。)
| 11.20〜24時間で納豆が出来ますので、ランプのスイッチを切り、温度を下げて数時間置き、醗酵を止めます。 アルミ箔を取ると、大豆の表面に白い皮膜が出来ています。そしてキッチンが納豆の匂いで一杯になります。わずかなアンモニア臭はするようですが、それが強い時は雑菌が繁殖しているのかもしれません。 |
![]() |
| 右の2枚の写真は、別な機会に作ったものですが、微妙な温度差や通気の違いにより、納豆菌の繁殖状況に違いが出ますので、結果を観察して、次回の納豆作りに反映させましょう。 | ![]() ![]() |
| 12. 出来あがった納豆(約1.2kg)は冷蔵庫で数日間熟成させると、糸も良く引くようになりますし、旨みも増します。 長く置きすぎるとアミノ酸が析出して、ざらっとしますから、食べきれない分は、小分けして冷凍して保存して下さい。 では、手作り納豆をお楽しみ下さい。 お気づきの点、ご意見、ご質問などございましたら、メールを下さい。または、納豆についてのディスカッションに加わって下さい。 |
![]() |
ご注意: 作った納豆が粘らず、糸を引かない場合や、苦味やアンモニア臭があり、粘りの弱い納豆は、往々にして雑菌の発生によって起こる事が多く、白い被膜を作り、糸も一応引きますので、見た目は納豆と見分けがつかないことがあるそうです。衛生にはくれぐれも気を付けましょう。
熟成について: 納豆菌による発酵で、プロテアーゼという蛋白質分解酵素ができますが、氷温(マイナス2〜0℃)にすると納豆菌が胞子を形成し、発酵でできたプロテアーゼが、うま味甘味のアミノ酸を醸成させるそうです。ですから、醗酵の終わった納豆を氷温で3〜4日間熟成させてアミノ酸含有量を高める方法もあるようです。
![]() |
by Kazuo Shiroki |
この納豆の作り方は、主としてインターネットで探し出した情報を元に、私なりの工夫を加えています。先人の努力に感謝を致します。また、高橋祐蔵研究所のご指導も頂きました。ここにお礼を申し上げます。 転載、配布などはご自由にどうぞ。(その場合ご一報頂ければ幸いです。)インターネットで、役に立つ情報を共有しましょう。 |